MaxWell Monthly Must-Readsの最新版です。先月はAxons(軸索) に関連する論文を取り上げましたが、2月のトピックは Retina (網膜)です。Retina (網膜)に関する選りすぐりの5本の論文をお届けします。

毎月5本の論文を掲載し、その中から1報を取り上げ特集します。今月は昨年Mureらによって発表された論文の要旨をお届けすることにしました。ぜひお楽しみください。

Functional Diversity of Human Intrinsically Photosensitive Retinal Ganglion Cells.
(ヒトの内因的感光性網膜神経節細胞の機能的多様性)
by Ludovic S. Mure, Frans Vinberg, Anne Hanneken and Satchidananda Panda. Science. 2019年12月.

内因的光感性網膜神経節細胞(ipRGC)は、神経節細胞の希少な部分集団(<5%)であり、その主な役割は、概日性の光同調(毎日の生理学的リズムの同調)のような、主に潜在意識のある非イメージ形成視覚反射、瞳孔反射(瞳孔収縮)および神経内分泌調節に光シグナルを送ることです。しかし最近では、ipRGCは、明るさの区別やコントラストの検出など、イメージ形成の視覚のいくつかの側面を仲介することも示されています。機能的および形態学的ipRGCサブタイプはげっ歯類(M1~M6)で説明されていますが、類似の機能的サブタイプは霊長類でもヒトでも依然として明らかになってはいません。証明させていないにも関わらず、長い間人間の網膜がいくつかの内在的感光性の網膜神経節細胞型を含む可能性があると学説が立てられていました。Science 2019年12月号では、Mureとその研究者たちは微小電極アレイ技術を用いて初めてヒトipRGCの光応答特性を測定しました。異なるスペクトル感度を持つ3つの機能的なipRGCサブタイプを特定しました。

論文はこちらから。 MedicalXPressEurekalert のサイトを初め、さまざなこの論文に関するニュース記事を検索することができます。

上記の特集した論文以外にもRetinaに関した4本の論文を紹介します。

  1. Melanopsin Expressing Human Retinal Ganglion Cells: Subtypes, Distribution, and Intraretinal connectivity
    (メラノプシンを発現するヒト網膜神経節細胞:サブタイプ、分布、および網膜内結合)

    by Jens Hannibal, Anders T. Christiansen, Steffen Heegaard, Jan Fahrenkrug and Jens F. Kiilgaard. The Journal of Comparative Neurology. 2017年3月.
    論文はこちらから。
  2. A Visual Circuit Related to Habenula Underlies the Antidepressive Effects of Light Therapy.
    (Habenulaに関する視覚回路は、光療法の抗うつ効果の根底にある)

    by Lu Huang, Yue Xi, Yanfang Peng, Yan Yang, Xiaodan Huang, Yunwei Fu, Qian Tao, Jia Xiao, Tifei Yuan, Kai An, Huan Zhao, Minglian Pu, Fuqiang Xu, Tian Xue, Minmin Luo, Kwok-Fai So and Chaoran Ren. Neuron. 2019年4月.
    論文はこちらから。取り上げられた記事はこちらから(中国語で書かれています)。
  3. Melanopsin Photoreception Contributes to Human Visual Detection, Temporal and Colour Processing.
    (光受容体メラノプシンは、人間の視覚的検出、時間的および色処理に貢献する)

    by Andre J. Zele, Beatrix Feigl, Prakash Adhikari, Michelle L. Maynard and Digcai Cao. Scientific Reports. 2018年3月.
    論文はこちらから。
  4. A Quantitative Analysis of the Contribution of Melanopsin to Brightness Perception.
    (明るさ知覚におけるメラノプシンの寄与の定量分析)

    山川昌彦、辻村誠一、岡嶋克典。Nature. 2019年5月.
    論文は こちらから。 MedicalXPressScience Daily および First Postのサイトでもご覧になれます。