この3か月間、科学的アプリケーションに関連する5本の論文を紹介するMonthly-Must Readsを発行してきました。 1月号はAxons(軸索)、2月号はRetina (網膜)、先月はOrganoids(オルガノイド )を特集しました。

4月号は、現在私たち全員に影響を与えているトピック、COVID-19(新型コロナウィルス )を取り上げます。 影響を強調し、より詳細に説明し、COVID-19および他のウイルスとニューロン間を関連付けるために、私達はニューロンとウイルスとの関連に関する5つの論文をピックアップしました。 コロナウイルスなどのウイルスだけでなく、ジカウイルスやサイトメガロウイルスなどのウイルスとの関連も取り上げています。

特集論文を1本、そして4本の画期的な論文を次にお届けします。今月の特集論文はYan‐Chao Liらによる新型SARS-CoV-2が中枢神経系に及ぼし得る影響に関する論文です。

The neuroinvasive potential of SARS‐CoV2 may play a role in the respiratory failure of COVID‐19 patients.
(SARS‐CoV2の神経浸潤性の可能性はCOVID-19患者の呼吸不全に役割を果たす可能性がある)

Yan-Chao Li, Wan-Zhu Bai, Tsutomu Hashikawa. Journal of Medical Virology.  2020年2月.

SARS-CoV-2は2019年12月に武漢(中国)で発生し、いまや10万人以上の死者を出しパンデミックを引き起こしています。今、SARS-CoV-2がSARS-CoV-1のように働き、それ故脳内のニューロンに感染する可能性があるかどうかを科学者たちは調査しています。 2000年代初頭のSARS-CoV-1は、視床や脳幹を含む脳領域に急速に広がることがわかりました。 Journal of Medical Virologyに発表されたLiらの2020年のレビュー記事を読むと「頭痛、吐き気、嘔吐といった神経学的徴候を示すCOVID-19患者もいます。コロナウイルスは呼吸器に限定しているとは限らず、中枢神経系にも侵入し神経疾患を引き起こす可能性があることを示すエビデンスが増えています」と書かれています。さらに、COVID-19は無嗅覚症(嗅覚の喪失)を引き起こし、嗅覚ニューロンに起因するその後の脳感染を考慮する必要があります。 SARS-CoV-2の潜在的な向神経性とニューロンに感染するその能力を理解するためには、さらに追加の実験的エビデンスが必要になります。今月のMMMで特集した記事に示されているように、微小電極アレイ(MEA)テクノロジーはウイルス感染に対するニューロンの機能と生存率を生体外で評価することを可能にすると最後に述べさせていただきます。

論文はこちらから。 C&EN, YahooNews , The Scientistからもより詳しい情報が得られます。

上記の論文に加えて、ニューロンとウイルスのトピックに関連する他の4つの論文です:

  1. Zika virus-induced hyper excitation precedes death of mouse primary neuron.
    (ジカウイルスによる過剰興奮は、マウス初代ニューロンの死に先行する)

    Julie Gaburro, Asim Bhatti, Vinod Sundaramoorthy, Megan Dearnley, Diane Green, Saeid Nahavandi,Prasad N. Paradkar , Jean-Bernard Duchemin. Virology Journal. 2019年4月.
    論文はこちらから。
  2. Network analysis of hippocampal neurons by microelectrode array in the presence of HIV-1 Tat and cocaine.
    (HIV-1 Tatおよびコカインの存在下での微小電極アレイによる海馬ニューロンのネットワーク分析)

    Taha Mohseni Ahooyi, Masoud Shekarabi, Emilie A. Decoppet, Dianne Langford, Kamel Khalili, Jennifer Gordon. Journal of Cellular Physiology.  2018年6月.
    論文はこちらから。
  3. Modeling Human Cytomegalovirus-Induced Microcephaly in Human iPSC-Derived Brain Organoids.
    (ヒトiPSC由来脳オルガノイドにおけるヒトサイトメガロウイルス誘発小頭症のモデリング)

    Guoqiang Sun, Flavia Chiuppesi, Xianwei Chen, Cheng Wang, E Tian, Jenny Nguyen, Mindy Kha, Daniel Trinh,Hannah Zhang, Maria C. Marchetto, Hongjun Song, Guo-Li Ming, Fred H. Gage, Don J. Diamond, Felix Wussow,  Yanhong Shi. Cell Reports Medicine. 2020年3月.
    論文はこちらから。 MedicalXPress , the City of Hope websiteからも関連記事が読めます。
  4. SARS-CoV-2: Olfaction, Brain Infection, and the Urgent Need for Clinical Samples Allowing Earlier Virus Detection.
    (SARS-CoV-2:嗅覚、脳感染、および早期のウイルス検出を可能にする臨床サンプルの緊急の必要性)

    Rafal Butowt, Katarzyna Bilinska. ACS Chemical Neuroscience. 2020年4月.
    論文はこちらから。