これまでのMaxWell Monthly Must-Readsをお楽しみいただいてますか。2020年の上半期は、1月(Axons/ 軸索)、2月(Retina/ 網膜)、3月(Organoids /オルガノイド )、6月(Human iPSC-Derived Neurons /ヒトiPS細胞由来神経細胞)と科学的な分野から、COVID-19禍でロックダウン中の4月はNeurons and Viruses (ニューロンとウィールス)を、5月はSpike Sorting (スパイクソーティング)と様々なテーマをお届けしてまいりました。下半期最初は Burst Detection(バースト検知)について特集しました。8月は糖尿病において中心的な役割を担うインスリン分泌細胞であるBeta Cells(べータ細胞)についてです。微小電極アレイを用いて膵島細胞の機能を検証したAlassafらによる論文を巻頭特集にすることにしました。

Microelectrode Array based Functional Testing of Pancreatic Islet Cells.
(膵島細胞の微小電極アレイに基く機能の検証)

Ahmad Alassaf, Matthew Ishahak, Annie Bowles, Ashutosh Agarwal. Micromachines. 2020年5月.

ランゲルハンス島(膵島)は膵臓内の多細胞クラスターであり、身体のグルコー ス恒常性を維持します。島内のインスリン分泌べータ細胞の機能不全は、真性糖尿病を引き起こします。これらの解離した島細胞の電気的活動は電気生理学的テクニックを用いることで観察可能です。今月の特集記事であるAlassafと共同研究者たちはマルチ電極アレイ(MEAs)を使って解離した島細胞をモニタリングし、その結果をグルコース刺激インスリン分泌 (GSIS)アッセイと関連付けています。低いグルコースレベルと比べて、より高いグルコース刺激で島細胞の電気的活動を多く検知することができました。この研究では、MEAsがリアルタイムで解離した島細胞を計測する鋭敏な機器であり、GSISアッセイをサポートできることに着目しています。

論文はこちらから。

上記の論文の他にベータ細胞に関連した4本の論文をご紹介します:

  1. Functional identification of islet cell types by electrophysiological fingerprinting.
    (電気生理学的フィンガープリント法による島細胞のタイプの機能同定)

    Linford J. B. Briant, Quan Zhang, Elisa Vergari, Joely A. Kellard, Blanca Rodriguez, Frances M. Ashcroft, Patrik Rorsman. Journal of the Royal Society Interface. 2017年3月.
    論文はこちらから。
  2. Guiding pancreatic beta cells to target electrodes in a whole-cell biosensor for diabetes.
    (糖尿病における全細胞バイオセンサの電極をターゲットとする膵臓べータ細胞の導き
    )
    Eileen Pedraza, Aleksandar Karajić, Matthieu Raoux, Romain Perrier, Antoine Pirog, Fanny Lebreton, Stéphane Arbault, Julien Gaitan, Sylvie Renaud, Alexander Kuhn, Jochen Lang. Lab on a Cip. 2015年8月.
    論文はこちらから。
  3. Resveratrol Influences Pancreatic Islets by Opposing Effects on Electrical Activity and Insulin Release.
    (レスべラトールは電気的活動とインスリン放出の相反効果によって膵島に影響を与える)

    Simone Brouwer, Theresa Hoffmeister, Anne Gresch, Lisa Sch¨onhoff, Martina Dufer. Molecular Nutrition & Food Research. 2018年8月.
    論文はこちらから。
  4. Metabolic regulation of calcium signaling in beta cells.
    (べータ細胞におけるカルシウムシグナル伝達の代謝抑制)

    Olof Idevall-Hagren, Anders Tengholm. Seminars in Cell & Developmental Biology. 2020年7月.
    論文はこちらから。